近年、獣医学領域、特に家畜衛生、公衆衛生分野における微生物検査技術について社会的ニーズが高まっている。
本書は、全国の獣医微生物学専門家40余名が、微生物検査の基本となる微生物の知識、検査法の理論・考え方、また感染症診断に必要な微生物の取り扱い方や検査精度に至るまで、丁寧に解説。
巻頭には、主要な微生物や検査法をカラー写真で紹介。
微生物検査を基本から学びたい人にも、もう一度理論立てて学び直したい人にも、最適の一冊。
◆主要目次◆
巻頭カラー口絵(写真41点)
第1章 微生物学の基礎
1.微生物学の歴史
地球の誕生と微生物/微生物の定義/顕微鏡と微生物の発見/微生物と感染症のかかわり/感染症の診断に関連する免疫学の進展/免疫学の進展と感染症の予防(ワクチン)/分子生物学的手法の診断への応用/分子生物学的手法の予防への応用/新興・再興感染症の出現/新しい検査法
2.微生物の特徴と分類
微生物の種類と形態/細菌の特徴と分類/真菌の特徴と分類/ウイルスの特徴と分類/プリオンの特徴
3.動物感染症と免疫
感染症と感染様式/非特異的生体防御(自然免疫)/特異的生体防御
4.動物感染症の制御
滅菌と消毒/ワクチン/抗菌剤と薬剤耐性
第2章 検査にかかわる国際基準
1.バイオセーフティ
病原微生物および実験室のBSL/検査におけるBSL/GMT/個人用防護具(PPE)/その他
2.検査の精度管理
GLP/ISO/精度管理
3.検査結果の解釈
検査の精度/ゴールドスタンダード/目的に応じた敏感度・特異度の設定/複数の検査の組み合わせによる診断精度の向上
第3章 動物微生物の検査法
1.微生物検査の変遷と概要
光学顕微鏡/電子顕微鏡/微生物の分離と同定/血清抗体検査/遺伝子,ゲノム検出法
2.微生物染色法
細菌/真菌
3.顕微鏡による観察法
光学顕微鏡/共焦点レーザー顕微鏡/電子顕微鏡/走査型プローブ顕微鏡
4.抗原検出法
検体の取り扱い/抗原検出法/抗原検出検査の評価と注意
5.血清抗体検査法
抗体の取り扱い/抗体測定法/抗体検出検査の評価と注意
6.遺伝子検査法
遺伝子の取り扱い/遺伝子検出法の種類/遺伝子診断への応用
7.薬剤感受性試験法
細菌感染症と抗菌剤/薬剤感受性試験の意義/薬剤感受性試験の概要/試験実施法
8.動物微生物の分離・培養法
細菌の分離・培養法/マイコプラズマの分離・培養・同定法/真菌の分離・培養・同定法/ウイルスの分離・培養法
第4章 動物感染症診断のための微生物検査
1.産業動物
国際重要伝染病/呼吸器感染症/消化器感染症/神経系感染症/異常産を伴う感染症/産卵異常を伴う感染症
2.伴侶動物
院内感染と感染制御/呼吸器感染症/消化器感染症/神経系感染症/皮膚疾患を伴う感染症
3.実験動物
実験動物における感染症の特徴/検体の取り扱い/検査の手順と注意点
4.人獣共通感染症
人獣共通感染症の特徴/検体の取り扱い/検査の手順と注意点
5.食品・食肉の衛生検査
食中毒の検査/食肉の衛生検査
6.飼料等の衛生検査
飼料/愛玩動物用飼料(ペットフード)
付録 症状別にまとめた各疾病の検査法一覧
★『動物微生物検査学』訂正のお知らせ
内容に誤りがございましたので、お詫びして訂正いたします。
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正誤表