獣医学教育改革の流れを先取りしていると評判の薬理学教科書、改訂第三版。新規薬物約50を加えて大幅改訂、さらに充実させた。卒業後の臨床にも役立つ薬品データベースCD付き。
年功序列・終身雇用型から実力型・流動型の社会に移り変わりつつある今日、直面する問題に柔軟に対応し、それを合理的に解決できる人を育てることが大学に求められています。そのためには、教員は教科書に書かれた知識を一方通行で学生に詰め込むのでなく、生き生きとした科学のおもしろさを教え、それに触発されて学生が自ら学ぶようになるような授業に切り替えなければならないときにきています。この教科書は、そのような時代の変化に対応して、新しい教育を行うために教員と学生が活用しやすく、質疑と討論によって生きた授業が可能になるように作られたものです。この教科書には、獣医薬理学を理解するための最低限の知識である「家畜薬理学教授項目基準」を簡潔に説明していますので、どの事項をどのように追加説明するのかは各教員が教育理念に基づいて決められます。
学生も教員もこの教科書を十分に利用し、自発的な学習が行われることを願っています……(はじめにより抜粋)
■主要目次■
第1章 薬と薬理学:薬とは/薬に関係する学問
第2章 薬理作用:作用の基本型式/作用の発現機構/薬の作用の強さと持続時間を変化させる要因
第3章 薬の体内能動:吸収と分布/生体内変化/排泄/血中動態
第4章 有害作用:有害作用の発現に関与する要因/毒性発現と薬物アレルギー/薬物依存
第5章 医薬品の基準と開発:医薬品の基準/医薬品の分類/処方と調剤/医薬品の保管/医薬品の開発と薬効評価
第6章 薬物治療における基本姿勢:獣医学教育における薬理学の役割/合理的な薬物治療
第7章 末梢神経系に作用する薬:局所麻酔薬/コリン作動薬/自律神経節に作用する薬/コリンエステラーゼに作用する薬
第8章 中枢神経系に作用する薬:中枢神経系と神経伝達物質/全身麻酔薬/精神安定薬/問題行動治療薬/中枢神経興奮薬/鎮痛薬
第9章 オータコイドとその拮抗薬:ヒスタミン/セロトニン/レニン-アンジオテンシン系/ブラジキニン/アラキドン酸代謝産物
第10章 抗炎症薬:非ステロイド系抗炎症薬/ステロイド系抗炎症薬/その他の抗炎症薬
第11章 循環・呼吸系に作用する薬:抗心不全薬/抗不整脈薬/血管拡張薬/呼吸系に作用する薬
第12章 血液に作用する薬:血液凝固促進薬/血液凝固抑制薬/抗貧血薬/血栓溶解薬
第13章 塩類代謝と腎機能に影響する薬:塩類代謝作用薬/利尿薬/尿崩症治療薬
第14章 消化器機能に影響する薬:消化管運動とその調節/消化管運動や吸収に影響する薬/抗潰瘍薬/制吐薬と催吐薬
第15章 ホルモン・抗ホルモン薬,ビタミン:副腎皮質ホルモン/甲状腺ホルモンと甲状腺ホルモン拮抗薬/糖尿病治療薬/性ホルモン
第16章 免疫機能に影響する薬:免疫反応/免疫抑制薬/免疫増強薬/ワクチン製剤
第17章 消毒薬
第18章 抗感染症薬:合成抗菌薬/抗生物質/抗菌薬に対する耐性/抗真菌薬
第19章 抗悪性腫瘍薬 : アルキル化薬/代謝拮抗薬/抗生物質第20章 駆虫薬:駆虫薬(抗蠕虫薬)/抗原虫薬
第21章 殺虫薬:殺虫薬/昆虫成長制御薬
第22章 重金属拮抗薬
【改訂版】
獣医薬理学